出来なくはないけど・・・。隠された職人の想い

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こんにちわ、修理集合管理人です。本日大阪は曇り空で雨が降りそうな天気です。こういう日は来店の率も悪くお店に引きこもりながら仕事する日です笑 ここ最近はブログ更新に力を入れているので「鞄修理 大阪」キーワードでも現在は1位をキープしているのでこのまま維持していきたいですね!

 

さてさて、過去記事では色んな鞄修理に関する事をご紹介しましたが、ホームページや店頭で記載している修理以外にもお客様からは様々なご要望が寄せられます。もちろんご要望に最大限お応え出来るように心がけてはいるのですが、正直「できなくはないけど・・・・」という事があります。お客様からは「やってくれ!」という強い意志も感じるのですが実はそれが出来ない理由があるんです・・・。

 

クロコダイルやリザード革は染め直しができない?

まず一番依頼案件の多い染め直しですがLINEや店頭でも「染め直しをしたいんですけど」と言われて取り出された時に目にするクロコダイルやリザード系のバッグ染め直し依頼。長く大切にしようしていたのでしょうか、全体的に色が褪せていたり傷や汚れが目立っているものが多いです。ですが管理人のお店ではクロコダイルやリザード系統の染め直しは”お断り”しているんです。それはなぜか・・・。

 

爬虫類系の革が使用されている鞄には鱗模様があり鱗と鱗の間にはくぼみがあります。仮に染めるとして塗料を吹き付けた場合はそのくぼみに塗料が入り込み爬虫類系等が持つ独特の立体感が薄くなってしまいます。

 

次にやはり生き物は自然界のものなので革の模様や色味が各々違います。しかし仮に染めてしまうと自然の風合いが無くなり塗料によって更に単一色になってしまうので立体感が無くなりのっぺりとした仕上がりになってしまうからです。

 

せっかく高級革を使用している鞄ですから職人としてもその様な仕上がりになるのは心もとなく、「本来は出来るものではあるが、鞄の事を考えるとやらないほうが・・・」というプロ視点からの隠された思いがあるのです。

 

もちろんすべてのお店がそういった爬虫類系の革の染め直しをお断りしているわけではありません。中にはご対応してくれるお店もあるかとおもいます。傷や汚れを補正したい場合は黒への染め替えという方法を管理人店では行っています。上記に記載した立体感や色味などが黒へ染め替える場合は一番目立たなく自然に仕上がるので黒への染め替えを推奨しています。

 

新しくストラップを取り付けたい!

この案件は過去記事で紹介いたしました、グッチのセカンドバッグに新しくチェーンを取り付けるというご要望です。その時の案件では無事対応できましたが同じ依頼でも鞄によってはやはりお請け出来ない場合があります。

 

セカンドバッグに比べちょっとサイズが大きいハンドバッグ類、中には元々ショルダーストラップが取り付けれるようになっているモデルもありますが、お気に入りの鞄に限ってストラップ取付け口がない!ストラップを取り付けたい!という事でご要望される事があります。が、なぜお断りするのかというとストラップが付いていないという事は元々その鞄自体はそういった事を想定しない、いわばそのデザインがその鞄の最適のカタチなんです。 もちろん構造自体もその様に設計されていない為、後付けでストラップを取り付けるとなるとそれ様の加工が必要になります。

 

勿論構造をしっかり見た上で判断を致しますが、やはり穴を開けたり縫ったりという施工を行うとその鞄自体の耐久力やデザイン性が弱くなったり、無理に加工する事によって今後損傷の確立が高くなるようであればお請けできません。やはりこれも「本来は出来るけど、やめておいた方がいい」というようなモノなんです。職人はまず第一にユーザーと鞄の今後を想像するので一番いいと思われる判断をします。

 

開口部を広くしたい!狭くしたい!

鞄の荷物の出し入れを行う開口部分。デザインは気に入ってるけど開口部が大きすぎて荷物がよく落ちる、又は開口部が小さすぎて荷物を入れずらい!なんて言う事もあります。その時にご要望されるのが開口部の拡張や、縫い施工を行って開口部を狭くしたり、という事ですがこちらもモデルによってはお受けできない場合があります。

 

まず開口部の拡張はかなり難しいです。リメイク同様開口部を拡張すると言っても素材自体はその鞄からしか確保が出来ない為、仮に新しい革で補填するとしても色味や見た目がダサくなってしまい、せっかくの鞄が台無しになってしまう可能性が大きいからです。

 

反対に開口部を狭くする事は革を切って縮小できるので拡張よりかはお請けできやすい案件ではあります、が無理に開口部を縮小すると鞄自体にシワやヨレが出来てしまったり鞄デザイン全体のバランスが崩れがちになってしまうのでやはりあまりお勧めはできません。

 

この様に出来るけどあまりお勧めできないといった事が修理店ではよくあります。職人の想いが時にはご要望に添えない時もあるかもしれません。かといってつっぱねてしまうかと言われるとそうではありません。「多少バランスが崩れてもいいから使いやすいようにしてほしい」というお客様の強い要望があればお応えできる場合もございます。まずは一度修理店スタッフとご相談してみましょう。